
戦争と芸術の「境界」で語りをひらく
有田・大村・朝鮮と脱植民地化
著:山口祐香/チョン・ユギョン
定価:2000円+税 四六変形 192頁 ISBN:978-4-9912489-3-1
デザイン:宮越里子

「大村焼」
制作:チョン・ユギョン/撮影:間部百合
朝鮮人陶工が創始した有田焼で型取りし、陶製手りゅう弾を模した架空の焼き物「大村焼」が刻む、歴史と表現――。
若手研究者と現代美術作家による対話、論考、エッセイ、そして抵抗のアートを通して、自由を奪われた人々について言葉を交わし、社会とつながり、考え続けるためのたしかな試み。
有田焼がうまれた400年前から現在まで繰り返された戦争と移動、そしていまに続く排外主義や差別をなくしていくには? 日本社会で見過ごされがちな歴史課題を問い直しながら、忘却に抗う言葉を記録する。
世界で、目の前で巻き起こっている差別や虐殺をそれぞれが語り、怒りを共有し、あきらめないためにぜひ読んでいただきたい1冊です。
【著者:山口祐香さんよりお知らせ】
本書の第7章「「故郷」をつくる――有田・人とうつわの400年史」(山口)については、子供の頃も含め、これまで有田町内で出会ってきた人々の話や窯元を訪ねた時の経験を思い出しつつ執筆していった。お一人お一人の名前を挙げることはできないが、ここに心から感謝を記したい。
特に、有田における李参平の顕彰の取り組みに関しては、有田歴史民俗資料館館長で陶磁史をご専門にされている村上伸之氏に以前伺ったお話から着想を得た部分が大きい。本文にも言及している陶祖碑文とその歴史的経緯については、村上氏が執筆されている「有田の陶磁史」(有田歴史民俗資料館ブログ『泉山日録』内連載)に詳しいため、ご関心を持たれた方は参照していただきたい。
★2刷!★帝国主義と闘った14人の朝鮮フェミニスト
独立運動を描きなおす
画:尹錫男、著:金伊京 訳:宋連玉・金美恵
定価:2500円+税 A5並製 268頁 ISBN:978-4-9912489-2-4
デザイン:鈴木千佳子
独立運動を闘った多彩な朝鮮女性を、韓国フェミニズムアートの第一人者・尹錫男(ユン・ソンナム)と作家・金伊京(キム・イギョン)が、圧倒的な読み応えでよみがえらせた歴史ノンフィクション。
信念を曲げず、真の自由を切望した女性たちの言葉とあゆみは、何度も運動としてよみがえり、社会を変えてきました。また、いまの私たちと地続きの性差別と闘った姿にもぜひ注目を。韓国フェミニズムのルーツともいえる歴史を知って、植民地主義とフェミニズムの関係を考えてみませんか。